茨城県つくば市玉取に鎮座する一ノ矢八坂神社のご紹介です。こちらは研究学園都市つくば市の中央、筑波大学の目前に鎮座しています。
御祭神は他の八坂神社と同じで素戔嗚尊です。
御由緒としては、清和天皇の時代、貞観年間(西暦859-877)に京都の八坂神社から、病厄難・海上安全の守護神、振武文教の祖神として素戔嗚尊を勧請鎮め奉ったのが起源となり、千年を超える歴史を誇るそうです。
貞観と言う時代は富士山の噴火や貞観地震という、去年の東日本大震災によく似た大地震とそれに伴う大津波が東北から現在の茨城までを襲い、その他にも自然災害や海賊などが頻発した時代のようです。そんな時代だからこそ、荒ぶる神である素戔嗚尊を祀る事で、昔のつくばの人は世の平安を願ったのでしょう。
また、「一ノ矢」という名前には伝説があるそうで、以下後由緒書きの抜粋です
『伝説によると、大昔九州からカラスが飛んで来て田畑を荒らすので、これを退治しようと天に向かって矢を放ち、第一の矢で射落した所に御鎮座したのが、この一ノ矢八坂神社(一ノ矢天王)だと言われています。
カラスは足が三本あり玉を持っていたので、射落された地域を「玉取村」としたとされています。また、現在でも矢を射た所を「天矢場」、玉を埋めた所は「玉塚」という地名で呼ばれています。』
…それって八咫烏じゃないのΣ(・□・;)たしか八咫烏って、素戔嗚尊の神使ですよね。そのカラスを射落とした場所に八坂神社って、何か複雑な事情がありそうですね(^_^;)
篠突く雨の中の参拝です。すぐそばには交通量の多い学園東大通りが走っていますが、広い境内には、静寂が広がります。雨の神社も絵になります。写真を撮るには良い環境とは言い難いですけど^^;
神紋は「三つ盛亀甲に花菱」です
扁額です
龍の彫刻が立派ですね。今までは一体の龍だけでしたが、此方のは二体の龍が彫られています
拝殿です。御由緒書きによると、社殿は永禄から天正年間(1558-1592)に小田家戦乱の際に炎上していますが、文禄年中(1592-1596)に郷民が再建しました。延宝四年(1678)四月には領主堀東市上通周が御本殿を造営、宝永八年(1711)三月には堀隠岐守利寿が拝殿を造営し現在に至っているそうです。
炎上後すぐに再建していると言う所に、当社の人々の崇敬の深さが感じられますね(^∇^)
拝殿の蛙股の下には鳥のような彫刻があります。鳳凰の頭なのかな?
本殿には覆屋が掛けられています
本殿です。立派な彫刻が目を引きます
雷神様ですかね?ピンボケして分かり辛いですが…
何だかつくばの神社の御本殿には雷神様の彫刻が多い気がします。雷除けの意味なのかな?
こちらの神社では、他の八坂神社と同じく祇園祭が執り行われますが、別名を「にんにく祭」だそうです。素戔嗚尊が朝鮮から持ち帰ったにんにくが、病厄難を祓い清めるとして、お守りとして頒布されることからのようです。うぅん、気になる、行ってみたいなぁ
散策も終え、社務所へ。時間は五時も大きく回った時間だったので、御朱印は無理かなぁと思って駄目もとで行きましたが、宮司さんの奥さんと思われる方が嫌な顔一つせず対応してくれました(^^)
因みに本殿の彫刻にある雷神様は、深い意味はなく、造営当時の流行り、と言うことだそうです。絵本百物語の雷獣の項に、筑波の付近の山には雷獣が住み、とあるようにつくばには落雷が多いから、雷神様の彫刻は雷除けだ!と言う僕の安易な考えはもろくも崩れ去りました(´Д` )
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