2014年3月21日金曜日

穴守稲荷神社(大田区羽田)

東京都大田区羽田に鎮座する穴守稲荷神社(あなもりいなりじんじゃ)のご紹介です。
既に投稿していると思ったら、アップしてない事に気付いての投稿なので、参拝は平成二十五年の四月になります。
御祭神は豊受姫命です。
御由緒として、文化元年(1804)頃、現在の羽田空港内にあたる鈴木新田開墾の際に、沿岸の堤防が波による被害を度々受けます。ある時その堤防に穴が開き、海水が流入する事態に陥ってしまい、村民が相談の上、堤防に稲荷大神の祠を祀ったのが始まりとされています。以来、風浪の害がなくなり、五穀豊穣になったとのことです。
ご由緒書を見ると、「穴守」という神社名の語源は、
「風浪が作りし穴の害より田畑を守り給う稲荷大神」
からきているようです。また、「穴」を病気などから「守」るに通じるという考えから、遊女からの信仰も厚かったとか。
明治十七年に暴風雨で崩壊してしまいますが、すぐに再建され、それに伴い境内地が広くなります。明治十九年にはそれまで「穴守稲荷社」としていたのを「穴守稲荷神社」と改称しています。
周囲では潮干狩りの出来る海水浴場が整備されるなどして賑やかになっていくと、現在の京浜急行電鉄が蒲田からの支線を伸ばしていき、大正二年には当社の門前まで延伸を果たしたそうです。
こうして厚い崇敬を集めますが、昭和二十年八月の太平洋戦争終戦後、米軍による羽田空港拡張のため、周辺の一般住民と同様に穴守稲荷神社も48時間以内の強制退去を命じられてしまいます。同年九月には現在の鎮座地である境内地を寄進され、仮社殿を再建、現在は以前のような姿を取り戻しつつある、とのことです。

さて神社です。

以前紹介した今戸神社から、穴守稲荷神社に行ってみようと、平日午後の首都東京のど真ん中を抜けて行く水戸ナンバー!
結果、すっげぇ混んでました(´Д` )
上野から羽田空港そばまで、距離にして25km程度、決して近くはありませんが、自宅から水戸駅ぐらいの距離(すいません、思い切り分かり辛いですね・・)、30分あれば着くかなと思っていたら、2時間かかりました(−_−;)
さてさて、神社は羽田空港のすぐそばになります。
神社の案内板には可愛らしいキツネが描かれています。
社頭です。周囲は住宅が迫り、まさに地域の鎮守様という様子です。
社号標です。
綺麗な石畳の参道です。
二の鳥居です。
周囲は建物がこれでもかというほど密集しているのに、境内は思った以上に空間が広がります。クレーンが覗くのはご愛嬌、ということで(^_^)
神楽殿と神輿舎です。
三の鳥居と灯明台です。
手水舎です。
稲荷社なので狛犬ではなくお狐さんです。
夕暮れ時のお狐さんは何だか凛々しいお姿です。
朱色が眩しい拝殿です。
神紋は「抱き稲に穴守」とでも言うのでしょうか?
扁額です。
本殿です。
当社は社殿向かって右側、本殿の横の辺りに「奥の宮」が鎮座しています。
千本鳥居を潜ります。
「奥の宮」は別名を「お穴さま」とも呼ぶそうです。
普段は扉が開いていて、中にはものすごい数の奉納鳥居が見られるようですが、閉門間近であったため、今回は閉まっていました^_^;写真では分かり辛いですが、左下に扉があり、閉まっている時でもそこから「招福砂」を頂くことができます。
この砂には一つの伝説があります。当社が祠として創建された頃に、漁の魚を化かして盗んでいた狐が村人に捕まります。しかし一人の翁はその狐を許して放してあげます。するとその後、翁は漁に出る度大漁となります。その際に魚を入れた籠には大量の魚と僅かな砂が入っていました。翁の妻がそれを庭に撒くとたちまち千客万来となり、翁は多くの富を得ます。それ以後、この砂は「穴守のお砂」として、敷地内や玄関などに撒く事で所願が叶うとか(⌒▽⌒)
奥の宮から更に奥の此方は「築山稲荷」です。
様々な御神徳を持ったお稲荷様が祀られています。
で、ここで気付かなかったのですが、この築山は裏から登れるそうです。ううっ、やはり下調べは大事だぁ(;_;)
千本鳥居横の一角には境内社である稲荷社が鎮座しています。
お狐さんが沢山だなぁと思っていると、
にゃんこの登場です
直前に参拝した今戸神社でも猫塗れで、何だか猫に縁のある一日でした。
そして此方は南側の入り口そば、その名も「狐塚社」
当社を守るように建っていると言われるだけあって、お狐さん勢揃い‼と言った風情です。
さてさて、当社は御由緒でも書いたとおり、現在の羽田空港敷地内から強制退去という悲しい歴史がありますが、当社の鳥居だけは撤去されずに同じ場所に立ち続け、平成十九年にようやく移設されたそうです。その理由は色々あるようですねf^_^;調べてみると色々出てくると思うので、興味ある方は調べてみても良いかと。
ということで行ってみました。
途中の羽田空港遠景です。
何だか穴守稲荷神社の御由緒を知ったあとから見ると、複雑な気持ちになります。確かに格段に便利になっていて、僕自身も何度も利用しているのですが、何かが犠牲になる部分というのも避けられずに存在するんだなぁと、似合わない感傷を抱いてしまいましたσ(^_^;)
赤鳥居です。
周囲は綺麗に整備され、夕日に照らされた鳥居は厳かな雰囲気すらあります
神額には「平和」と書かれています。本当に世の中が平穏に、そして誰もが明るく生きれる世界になれるといいですね(^o^)
御朱印は社務所で頂けます。
また、此方にはオリジナルの御朱印帳があります
可愛らしいお狐さんが描かれています
此方は、と言うより周囲の稲荷神社七社では毎年正月の五日間に「羽田七福いなりめぐり」というものをしているそうで、ぜひ参加して見たいと思います。